もやし

属性:マメ科
もやし

低カロリーの代表!ビタミン類も多種含む

ほのかな豆の香りとシャキシャキとした食感が特徴。もやしという名称は本来、人工的に発芽させた植物の若芽を意味するが、野菜の流通では、緑豆や大豆のもやしを指す。原料となる豆の種類によって風味が違い、近年は在来種を使ったものもある。流通の主流は緑豆もやしで工場生産され周年出回る。

POPはコレ!

  • ビタミン豊富なヘルシーフード!
  • 濃い味をさっぱりと。肉や味噌ラーメンに!
  • うま味が引き立つ蒸し焼きもおすすめ

鮮度の見分け方

  • 茎がシャキッとしており、みずみずしいもの
  • 折れたものが多かったり、折れ口や根が黒ずんでいるものは避ける
  • 大豆もやしは、豆が開いていないものがよい

最適な保存条件

温度5~8℃。常温に置かないことが望ましい。また傷により急速な鮮度劣化を起こすため、丁寧に扱うようにする。家庭では、袋のまま冷蔵庫の野菜室で保存。しかし冷蔵保存状態でも、1日でビタミンCが30%減少してしまう。見た目に変化がなくても、買ったその日のうちに食べきること。

栄養&機能性

アスパラギン酸、ビタミンC、カリウム

ビタミンCやアスパラギン酸が多い。ビタミンCは抗酸化作用があり、ストレスへの抵抗力を強め、アスパラギン酸は疲労回復に効果があるとされる。

ONE POINTアドバイス

  • さっとゆでるか、蒸し煮にしてドレッシングや豆板醤、辛子醤油などで和えると簡単な付け合わせになり、常備菜としても便利。
  • 炒め物にする場合は、シャキッとした歯ざわりに仕上げるため、水気をしっかり切って、手早く一気に強火で炒め上げるのがコツ。
  • ひげ根と豆の皮を除くと食感がよくなる。ただし、うま味と風味はひげ根に多く含まれるので、気にならない場合は、そのまま調理するとよい。

売場づくりのポイント

  • ムレを防ぐため、たくさん積まず、何回かに分けて補充するとよい。ムレて泡の出たものや、茎が変色したものは廃棄する。
  • キャベツ、ピーマンなど炒め物野菜としてまとめたり、麺類の近くに置くのも売り場提案のひとつ。
  • 天気不順など、キャベツが高騰するともやしの需要が活発になる。代替野菜として重要な商品なので商品確保と売場対応を行う。

Q&A

Q1 購入したもやしが異常に白く蛍光を発しているが、人為的に蛍光染料(合成洗剤等)を添加しているのではないか?
A. もやしが蛍光を発するのは、成長過程で作られる蛍光を発する天然物のためである。食用にしても差し支えない。
Q2 切って空気にさらしておくと、灰色がかった黒色に変色した。なぜ?
A. 野菜類を切って空気にさらしておくと、野菜に含まれる酸化酵素が働き、灰色がかった黒色になることがある。もやしの場合も、酵素によりタンニン化合物の酸化が進んだためと考えられる。

下ごしらえのポイント

  • ザルに入れて、折らないように丁寧に洗う。
  • 特有の臭いが気になる場合は、流水にさらしておくとよい。
  • シャキシャキ感と栄養が失われないように、加熱しすぎないこと。
  • ゆでる場合は、ゆでた後に水にさらさずに、ザルにあげて冷ますと水っぽくならない。
  • 残ったら、使いやすい小分けで冷凍しておくと便利。使用する時は、冷凍のまま炒めたり煮物に加えたりする。自然解凍すると水分が出てしまうので避ける。

★オススメ料理

和え物/炒め物/おひたし/汁の実/サラダ/ラーメン/焼きそば

コラム

伝統守る「大鰐温泉もやし」

 多くは最新式の工場で周年安定生産されるもやしだが、昔ながらの原料大豆や製造方法をかたくなに守っている例もある。青森県大鰐町の大鰐温泉で350年以上前から製造されてきたのが「大鰐温泉もやし」だ。豆もやしとそばもやしの2種類あり、豆もやしは地域在来の小粒種「小八豆」で栽培。温泉熱だけで地温を高め、水道水ではなく温泉を使用し、昔ながらの土耕栽培で7日間かけて長さ30cm以上まで育てる。長さだけでなく、ほのかな土の香りと独特のうまみ、さらにシャキシャキとした歯ごたえも特徴。一時期は生産が途絶えるのではと心配されたが、生産方法などについての門外不出の方針を転換。町が後継者確保に乗り出している。ブランド化をめざし2012年6月には地域団体商標として登録された。

【品種紹介】

大豆もやし

【大豆もやし】豆が付いた状態で、コクがある。ナムルなどの材料にされる

ブラックマッペ

【ブラックマッペ】ケツルアズキのもやし。細めだが、風味が強い。別名「黒豆もやし」

【発芽大豆】芽が出た直後の大豆。豆特有の風味が強い。ゆでる、蒸すのがおすすめ

【発芽大豆】芽が出た直後の大豆。豆特有の風味が強い。ゆでる、蒸すのがおすすめ

根切り

【根切り】ひげ根が取り除かれているもやし。舌触りと見た目がよい

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

発行・発売   株式会社 農経新聞社
写真撮影株式会社 スタジオアトム
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