くり

属性:ブナ科クリ属
くり

料理にお菓子に!秋の演出にベストな木の実

種の部分を食用とし、ホクホクと甘い。食べるのに手間がかかるなどの理由により、消費は落ちているが、秋を告げる旬商材としての価値は高い。わが国で栽培されている日本栗は野生のシバグリが改良されたもので、天津甘栗などの中国栗やヨーロッパ栗に比べ、虫害に強い。主な品種は銀寄、利平など。茨城県が主産地で、8月~11月に出回るが、旬は9月~10月。

POPはコレ!

  • ホクホク秋の味覚。栗ごはんや甘露煮に
  • 皮をむいて生で冷凍。凍ったまま調理OK
  • 渋皮を少し残すと風味がアップ!

市場シェアと出回り時期

くりの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 皮に光沢があるもの
  • 表面にしなびがないもの
  • 重みのあるもの
  • 尻の部分が白く大きいもの

最適な保存条件

温度0℃。しなびとカビの抑制方法としては、皮ごと1℃前後の水漬け貯蔵および0℃のポリエチレン包装が有効である。水漬け貯蔵は、くり1kgに対して水1.5%の割合で浸漬し、月2回水を換える。ポリエチレン包装はポリエチレン袋にくり300g~1kgを詰め、密封して保存する。2~3か月の貯蔵が可能である。

ONE POINTアドバイス

  • 収穫後の蒸散作用により、品質が著しく低下する。家庭では1~2%の塩水で半日つけ、水を切ってから5℃以下で保存。冷凍がおすすめ。自然解凍では水っぽくなるため、そのまま調理するとよい。
  • 渋皮は苦みと食味が悪いが、炊き込みご飯などには少し残すと、風味が増しておいしくなる。

売場づくりのポイント

  • 常温よりも冷蔵ケースでの販売がよいが、季節商品なので前に出して売りきるのがよい。
  • 虫食いの穴、底部のカビの発生など不良品がないか十分にチェックする。
  • 秋の演出のためイガの付いたものを陳列すると、売場が華やかになる。

Q&A

Q1 ビニール袋入りのむきくりを開封したら、酸敗臭がしたが原因は何?
A. 冷蔵しないでむきくりを販売したため、腐敗し、酸敗臭がしたもの。食べることはできない。
Q2 生くりを購入したが水が出て、色、味も良くない。食べても大丈夫?
A. 産地で売れ残った生くりを凍結しておいたものであろう。凍結方法に問題があったか、解凍時に食味が失われたと考えられる。食べても問題はないが、商品価値はあまりない。
Q3 ゆでて冷蔵庫で保存していたところ青かびが生えた。カビを削れば食べても大丈夫?
A. 有害な青カビも存在するため、カビを削っても食べないほうがよい。くりの保存適温は0~1℃のため、冷蔵庫で保存しても腐敗は進むので早めにゆでること。

食べ方のアドバイス

  • 皮をむきやすくするには、しばらく水に漬けておくか、沸騰したお湯でゆで、冷めないうちに。ゆでる場合はゆですぎず、2~3分にとどめること。
  • 鬼皮のむき方はくりの底の部分に包丁を横に入れて、はがすようにするとよい。
  • 渋皮を取りやすくするには、鬼皮を除いてから、ミョウバンを少し入れた水に一晩つけておくとよい。

【品種紹介】

銀寄(ぎんよせ)

【銀寄(ぎんよせ)】江戸時代からの品種で、甘みが強く粉質。9月下旬~10月上旬

秋峰

【秋峰】粉質で甘みと香りがよく、色変りが少ない。9月下旬~10月

利平

【利平】甘みが強く皮離れがよい。ゆで栗に最適。9月下旬~10月下旬

美玖理(みくり)

【美玖理(みくり)】ホクホクで甘みが強い。外見が良く、果肉が黄色で粒が大きめ。10 月頃

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

発行・発売   株式会社 農経新聞社
写真撮影株式会社 スタジオアトム
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