
取り扱いは丁寧に!葉のやわらかさと香りが命
独特の香りとやわらかい葉肉が特徴。鍋料理には欠かせない野菜であり、冬場に需要が多く消費は定着している。品種は、葉の切れ込みの浅い大葉種、切れ込みの深い中葉種、小葉種がある。関東以北では中葉が好まれ、関西では大葉が好まれる。周年出回るが、需要期は10月~翌3月。
POPはコレ!
- 食欲をそそる香り。冬の鍋にぴったり!
- アクが少なく下ゆで不要。サラダも食べやすい
- ビタミンACE、サビないカラダづくりに!
市場シェアと出回り時期
鮮度の見分け方
- 香りが高く、ハリがあるもの
- 緑色が濃く葉先までピンとしているもの
- 茎が細く、切り口が乾きすぎていないもの
- 茎の下のほうにまで葉がついているもの
最適な保存条件
有孔フィルムで低温が望ましい。5℃ではフィルム包装で7日。常温では結束物で1日、フィルム包装で2~3日。家庭での保存は、濡らした新聞紙に包み、ビニール袋に入れて野菜室へ。横に置くと曲がりやすいので、立てて保存するのが望ましい。鮮度劣化が早いので、購入後できるだけ早く食べきること。
栄養&機能性
カロテン、ビタミンC、ビタミンE
カロテンは体内でビタミンAに変わり、体の中で発生する活性酸素から体を守るといわれる、また免疫力を高め、肌の健康維持効果も期待されている。肌の健康維持に効果があるとされるビタミンCも豊富。また、独特の香り成分には、胃腸の働きを促進し、消化吸収をよくする作用があるとされている。
ONE POINTアドバイス
- クルミ、ゴマ、ピーナッツなどコクのある和え衣にあわせると、子供でも食べやすくなる。
- アクが少なく下ゆでの必要がない。
- 冬から春にかけて栽培されたものはパリッとして、しかもやわらかく香りが高い。葉先を手でちぎって生のままドレッシングなどでサラダにすると香りが楽しめる。
- 繊維がやわらかいため煮たりゆでたりするときは、加熱しすぎない方がよい。
- バジルの代わりとしてパスタに加えるのもよい。
売場づくりのポイント
- 傷みが早いので即日販売が基本。
- 水分蒸散を防ぐために、有孔フィルム包装でできるだけ低温に置くことが必要。
- 変色やトロケはすぐに取り除くこと。葉の組織がやわらかいため、傷みと変質が他の葉に移りやすい。
- 香りが移りやすい商品のそばには陳列しない。
Q&A
Q | 香りを嫌がり、子供が口から出してしまう。 |
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A. しゅんぎくの独特の香りはα-ピネンやぺリルアルデヒドなど10種類以上から構成されており、なかなか取り除くのは難しい。炒めたり煮ると溶けだして、香りがきつく感じられるため、フライパンで表面をさっと焼き、ゴマドレッシングなどをあわせると食べやすくなる。 |
下ごしらえのポイント
- 葉と茎に分けて手早くゆでるのがコツ。
- 沸騰したお湯に0.5%の塩を加え、沸騰したら、茎を入れ40~50秒ほどゆで、そのまま葉を加えて20~30秒ほどゆでる。ゆでた後は水に取らずにそのままザルで冷まし、水気を絞ると風味が残る。
★オススメ料理
鍋物/おひたし/味噌汁/天ぷら/和え物
知っておくべき流通事情
生産過剰な野菜
農業生産者の高齢化や生産減少が問題視されるが、本当の問題は「それでも農産物が余っていること」。農水省の推計によると、2017年度の主力野菜14品目の需要量は1,019~1,085万㌧、一方供給量(国産+輸入)は1,220~1,299万㌧と、1割~最大2割の“供給過剰”。人口減少・日本全体の高齢化による需要の減退や、業務用原料野菜の割合が増える中で生産者は天候不順でも契約を守るため多めに作付すること、また、以前なら廃棄されていた規格外品も、外観を気にせず販売されるようになっていることなどが要因。野菜価格が長期的には低迷している中、40万㌶(滋賀県の面積に相当)の耕作放棄地での生産や、いっそうの規格外品の活用などを行えば、もう一段の値崩れは必至とみられる。本当に困るのは次世代の食糧供給を担う若手農業者かもしれない。国内の需要拡大に加え、輸出、食品以外の用途の開発なども求められよう。
【品種紹介】
出典
改訂9版 野菜と果物の品目ガイド
発行・発売 | 株式会社 農経新聞社 |
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写真撮影 | 株式会社 スタジオアトム |
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