
氷砂糖やホワイトリカー。関連商品と販売を
梅酒や梅干しといった家庭での保存食として一定の需要がある。未熟な種子には青酸系の強い毒性を発生するおそれがあるため生食はできない。果実の大きさによって、小梅(10g以下)、中梅(10~25g)、大梅(25g以上)に分類される。代表品種である南高や白加賀は大梅に分類される。加工品は周年出回るが、生の出回り時期は5月下旬からで、6月上中旬が最盛期。
POPはコレ!
- クエン酸に殺菌効果。お弁当やおにぎりに!
- 梅酒は青梅がぴったり。梅干しは少し熟させて
- 完熟梅はジャムや梅ジュースにも
鮮度の見分け方
- 果皮にハリがあるもの
- 表面に傷がないもの
- 梅酒には、青く硬いものがよい
- 梅干しやジャムには、黄色味を帯びたものがよい
最適な保存条件
温度0℃、湿度90%。0℃では約20日の保存が可能。20℃では7日、25~30℃では4日が限度。10℃では果皮の黄化は抑えられるが、褐変を起こしやすいので注意すること。家庭では日持ちしないので、すぐに使うことが肝心。保存する場合は段ボール箱や紙袋で冷暗所に保管するとよい。
栄養&機能性
アミグダリン(毒)、カリウム、クエン酸
青梅には青酸配糖体のアミグダリンが含まれ、摂取すると青酸中毒を引き起こす危険がある。致死量は一般的に100~300個だが、念のため生食しないこと。梅干しの酸味はクエン酸。疲労回復や食欲増進効果なども期待される。血圧調整にかかわるとされるカリウムも含む。
ONE POINTアドバイス
- 熟度70%の青く光沢のあるものや外観で丸みがあるものは、肉厚で梅酒によい。
- 熟度80~90%のやや黄色の梅はシロップ、白梅干し、赤梅干しなどに使うとよい。
- 梅干しの酸味はクエン酸やリンゴ酸といった多種の有機酸によるもの。有機酸は疲労回復などの効果が期待されるほか、唾液の分泌を促し、食欲増進の効果もあるといわれる。
売場づくりのポイント
- 産地からバラ詰めで出荷されるので、通常は1kgのポリ袋に入れて販売する。その際には果皮のキズ、黒斑などをチェックし、不良な実は取り除く。
- 売り場では販売量に応じた関連商品を置くとよい。例えば、梅酒の場合は実1kg に必要なビンや氷砂糖、焼酎のほか、つくり方を書いたチラシなどを用意する。
コラム
家庭で簡単! ジッパー付きポリ袋で漬ける梅干し
梅干しには下漬けのみの「白梅干し」と、下漬けした5日後くらいに赤しその葉で本漬けする「赤梅干し」がある。
◎漬ける期間=白、赤とも梅雨明けまで
◎干すタイミングと期間=梅雨明け後の晴天が続く日に3日間干す。
すべての実に太陽が当たるように裏返しながら干し、夜は家の中にとりこむ
【下漬けの材料と手順 (白梅干し)】
●熟したうめ:1㎏
●粗塩:200g(カビが生えないように塩は重量の20%が基本。減塩したい場合は15%の150g)
●うめにまぶす焼酎:大さじ2
①へたを竹串で取り外し、水洗いして、1粒ずつていねいに水気をふき取る
②大きいジッパー付きポリ袋に焼酎をまぶしたうめと塩を入れ、全体にいきわたるようにする
③空気を抜き、袋の口を閉じてボウルに入れ、1㎏(うめと同じ重さ)の重しをし、冷暗所に置く
④うめが隠れるくらいの水分(梅酢)が出てきたら(だいたい4日ほど)重しを取り外し、冷蔵庫で梅雨明けまで保管。その後、天日で3日間干す
【本漬けの材料と手順 (赤梅干し)】
●赤しその葉;1束(葉のみ120~130g)
●塩:大さじ2
①赤しその葉を取り外し、よく洗い乾かす
②大さじ1の塩を入れよくもみ、出てきたアクを捨てる。残り大さじ1の塩をまぶして再びもみ、固くしぼってアクを捨てる
③②に梅酢をそそいでよく混ぜ合わせ、下漬けの袋に戻し、空気を抜いて口を閉じる
④500gの重しをのせて冷蔵庫で梅雨明けまで保管。その後、天日で3日間干す
【品種紹介】
出典
改訂9版 野菜と果物の品目ガイド
発行・発売 | 株式会社 農経新聞社 |
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写真撮影 | 株式会社 スタジオアトム |
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