属性:バラ科オランダイチゴ属

見た目と栄養に優れる才色兼備フルーツ
さわやかな甘みとやさしい香りで万人に好まれる。全体の果物消費は低調に推移しているが、いちごの消費は比較的好調。品種は、昭和30年代に主力品種の福羽からダナ一に移行して以来、約10年サイクルで主力品種が変化している。それに加え、最近は主産県ごとに新品種を育成し、品種数が増えている。同品種でも産地によってブランド名が異なっている場合があるため、それぞれの産地と品種特性をつかむことが重要。出回りは12月~翌9月。最盛期は2月~3月。夏秋には主に業務用としてアメリカ産が輸入されるほか、国産もわずかだが出回るようになった。旬は、ハウスで12月~翌4月。露地物は5月~6月。
POPはコレ!
- ビタミンCたっぷり。朝食フルーツに。
- すりつぶして、いちごドレッシング。
- マリネにすれば、おしゃれオードブル。
市場シェアと出回り時期
鮮度の見分け方
- 果皮にツヤがあるもの
- ヘタが濃緑のもの
- 形が整っているもの
- 全体的に色がのっているもの
- 傷のついていないもの
最適な保存条件
品種により差異があるが、常温で1~2日、5℃で3~4日、1℃で7日が限度。保存性は期待できないので、即日販売が原則。家庭での保存はパックのままでもよいが、できるだけ平たい容器に重ならないように並べ、ラップをかけて冷蔵庫の野菜室で保存する。洗わないほうが傷みにくい。
栄養&機能性
ビタミンC、アントシアニン、葉酸
ビタミンC、アントシアニンなど抗酸化作用のある成分を含む。洗うだけで簡単に食べることができるので、摂取には最適な果物といえる。
ONE POINTアドバイス
- 洗ってからヘタを取ると水っぽくならない。ヘタを取ったら水には浸さない。
- 洗い方はボウルに流水を注ぎ、いちごをしばらく浸したあと、ふり洗いをする。
- 冷凍する場合は、洗ってヘタを取ってから。砂糖をまぶして冷凍すると、色は抜けるが冷凍ヤケを防ぐことができる。
- 甘みはヘタより先端部分のほうが強い。そのため、ひと口で食べきれない大きさの場合は、ヘタのほうから食べるとよい。
売場づくりのポイント
- 収穫後は熟度が急速に進む。表面が軟弱なため傷つきやすく、その損傷部からの腐敗が進行するので、取り扱いには細心の注意を払うこと。
- 出荷時期は冬場の低温期が多いが、品質管理を十分に行い、商品の回転率を高め、当日販売を徹底すること。
- 冷蔵ケースに陳列する場合も、いちごは低温でも蒸散を抑えることができないので、冷蔵庫に保管する以外は当日販売が原則。
- 果皮の美しさを引き立てるため、照明は太陽光に近いハロゲンランプにするとよい。
- 新品種が多いので、産地、品種特性をPOP などで訴える必要がある。
- 主産地も、ポスターなどの販促資材を積極的に売場に取り入れて、盛り上げるようにする。
Q&A
Q1 | 表面にラード状の物質が付着していたが、食べても大丈夫? |
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A. 白い部分を取り除けば害はない。これは「ボト」と呼ばれ、本来は産地で腐敗果として廃棄されるもの。ハウス内の水蒸気が天井に結露し、露がいちごの表面に落下し、そこが傷んで白く斑点様になったものである。 | |
Q2 | いちごの葉が赤いが、着色料でも使用しているのでは? |
A. 着色料ではない。栽培時に窒素肥料を過剰に与えると起こる現象で「枯れ上がり」という。葉の赤は、いちごの赤と同様のアントシアニンという栄養素で、実を食べてもとくに問題はない。 |
食べ方のアドバイス
- 生でそのまま食べるほうが本来の味を堪能できるが、酸味が強い品種はコンデンスミルク、ホイップクリームなどをつけると酸味が抑えられる。
- 酸味のあるいちごは、つぶしてサラダのドレッシングにしてもおいしい。
- バルサミコ酢とはちみつでマリネにしても。
- ジャムやソースなどにも向く。レンジでの簡単な作り方は、1パックに対しグラニュー糖150gをまぶしレモン汁をふって、ふんわりラップをかける。6分ほど加熱し、取り出してよくかき混ぜ、ラップをせずに6~8分加熱すればよい。コツは汁があふれ出ないように目を離さないこと。
【品種紹介】
出典
改訂9版 野菜と果物の品目ガイド
発行・発売 | 株式会社 農経新聞社 |
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写真撮影 | 株式会社 スタジオアトム |
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