やまのいも

属性:ヤマノイモ科ヤマノイモ属
やまのいも

シャキシャキ?ねっとり?ねばりの強さで差別化を

すりおろして生で食用とする。主流は円筒形であっさりした「ながいも」で、他に扁平型でねばりがある「いちょういも」(関東ではやまといも)、球形で最もねばりが強い「やまといも(つくねいも)」、日本が原産の「自然薯」に分類される。出回りは貯蔵品により周年。新物は10月に出回る。

POPはコレ!

  • 意外なおいしさ!フライドポテト!
  • あっさり山かけ!マグロの刺身にかけるだけ
  • お好み焼きをふっくらとすりおろして隠し味に

市場シェアと出回り時期

やまのいもの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 皮が薄く表面がきれいでハリがあるもの
  • 傷や斑点がなく、ひげ根の多いもの
  • ながいもは収穫が早すぎると、付け根部の太い部分に強いえぐ味が残る場合がある。未熟のものはおろしてから変色するので、頭の部分を折ってしばらくしてから変色しないものを選ぶ

最適な保存条件

温度0℃、湿度90~95%で4~6か月程度は保存可能。
切り口が空気に触れると変色するので、販売・保存する場合は、切り口が空気に触れないよう、ラップなどでしっかり包む。家庭での保存は、カットものはラップで冷蔵庫に。丸ごとの場合は新聞紙で冷暗所に保存する。

栄養&機能性

カリウム、マグネシウム、アミラーゼ

でんぷん消化酵素のアミラーゼやジアスターゼを多く含むので、胃のもたれ解消にも効果的とされる。またカリウムが多く、いちょういもでは100g中590mg、ながいもでは430mg、やまといもでは590mgと各々かなり含まれており、むくみの解消や血圧低下が期待される。

ONE POINTアドバイス

  • 出始めの新物よりひね物のほうがねばりが強くなるため、とろろ汁にはひね物がおすすめ。
  • アミラーゼが多く含まれ、消化を助ける働きがあるため、昔からそばや麦飯などにあわせることが多い。
  • 皮をむいたら、アク抜きのために、酢を入れた水にさらす。変色を防ぎ、手がかゆくなるのも防げる。
  • 切ったりすったりしたときに、空気に触れて酸化し褐色になることがあるが、食用としては問題ない。
  • ひげ根の多いほうがねばりが強いといわれている。

売場づくりのポイント

  • 表面に傷がつきやすいので丁寧に取り扱うこと。
  • カットするときは包丁で切ると変色しやすいので、切る場所に切れ目を入れて手で折る。
  • カットしたものは空気に触れないように1個ずつフィルムで直巻きすること。

Q&A

Q1 紫色に変色したけれど、食べられる?
A. 栽培時にながいも中のポリフェノールが酸化されてアントシアニン系の色素が生成したと考えられる。食べても害はない。
Q2 やまいもの切り口やおろしたものが灰黒色に変化しない方法は?
A. アミノ酸の一種であるチロシンがチロシナーゼという酸化酵素によって酸化され、黒いメラニンが生じた。食べても問題ないが、変色を防ぐには、切り口を水につけて空気をさえぎるとよい。

下ごしらえのポイント

  • 白く仕上げるには、すりおろす時に皮を厚くむくこと。また、むいた部分を水や酢に10分ほど浸しておくと、すりおろした際にアクが出にくくなる。
  • 手でにぎる部分の皮は残し、すりおろす分だけ皮をむくと手がかゆくならない。

★オススメ料理

とろろ/煮物/サラダ/スープ/和え物

【品種紹介】

ながいも

【ながいも】やまのいもの代表品種。水分が多く粘りが少なめでサクサクとしている

いちょういも

【いちょういも】関東では「やまといも」として出回る。ねばりがあり、とろろにされる

むらさき芋

【むらさき芋】中が薄紫色のやまのいも。ねばりは強めで、扱いや食べ方は他の品種と同じ

むかご

【むかご】地上部の葉の付け根にできる直径8~15㎜程の小いも(球芽)。塩ゆでや煎る、炊き込みご飯などに使われる

やまといも(つくねいも)

【やまといも(つくねいも)】塊形状でねばりが強い。黒皮の丹波いもや白皮の伊勢いもがある

自然薯

【自然薯】細長くねばり気がある。野生ほどねばりと風味が強いが、ほとんどが栽培種

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

発行・発売   株式会社 農経新聞社
写真撮影株式会社 スタジオアトム
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