みつば

属性:セリ科ミツバ属
切りみつば

豊かな香りがポイント。高級感ある日本のハーブ

水耕栽培の普及とともに生産が拡大してきた。出回り時期は、一般向けの糸みつばは周年販売、業務需要が中心の切みつばは秋~冬、根みつばは周年出回る。日本で古くから親しまれる春の香りで、日本料理に周年使われる重要な野菜。品種の違いは少なく、栽培や形状で名前が異なる。

POPはコレ!

  • だいこんとポン酢。かんたん和風サラダ
  • アクが少なく香り豊か。汁ものや茶碗蒸しの定番。
  • 牛肉と合わせて和風アクセントの炒め物に

市場シェアと出回り時期

みつばの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 香りが強く、乾燥していないもの
  • 葉先までハリのあるもの
  • 緑色がきれいで、みずみずしいもの
  • 切りみつばは、茎が純白で直径2㎜程のもの

最適な保存条件

5℃で5~6日が限度。茎を曲げずに伸ばした状態で保存する。家庭では、濡らした新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。水分の蒸散とともに香りも薄れていくので、乾燥させないように注意する。香りのあるうちに食べきることが望ましい。

栄養&機能性

カロテン、ビタミンC、ミツバエン

カロテンは免疫細胞の働きを助け、粘膜を保護し、皮膚を健康に保つ効果が期待される。独特の香り成分のミツバエンやクリプトテーネンなどの香りには神経安定、消化促進の効果が期待される。カリウムも多く、余分なナトリウムを排出し、血液を安定させる効果が期待される。そのほか、ビタミンA、ビタミンCなどが含まれる。

ONE POINTアドバイス

  • ゆですぎると色も歯ざわりも悪くなり、香気が飛んでしまうので、さっと湯にくぐらせる程度でよい。
  • 熱い汁の上に長い時間おいてしまうと香りが飛んでしまうので、出す直前に切り分けて使う。
  • ?香りが強くて、みつばだけでは食べにくい人も油を使った調理で食べやすくなる。たとえば天ぷらやバター炒めなどがおすすめ。
  • 野菜ジュースの原料として、にんじん、キャベツ、トマト、りんごなどと一緒にジュースにしても。

売場づくりのポイント

  • 日持ちは期待できないので、即日販売が原則。特に軟白栽培のものは、変質が速いので注意。
  • 産地パックは基本的にそのままでよいが、量が多かったり価格が高くなっている場合は、2分の1に分ける。香り付けのつま物としては少量パックがよい。
  • 茎を曲げずに伸ばした状態で保存する。

Q&A

Q 露地栽培のみつばを水につけると、茎の切り口から油状のものが溶け出してきたが、これは何?
A. 油状のものは、白濁した液状のもの。これは、細胞液が浸出したもので、自然現象である。

下ごしらえのポイント

  • 根を切り落として、輪ゴムで軽くしばってから、水を張ったボウルの中でふり洗いをする。また、手で持った状態で、ふり洗いをしてもよい。
  • 煮物や汁物の飾りには「結びみつば」にすると、日本料理の飾りとなる。作り方は熱湯にさっとくぐらせ冷水に入れて冷まし、茎の中央で2つ折りにして、ひと結びする。

★オススメ料理

鍋物/汁物/蒸し物/おひたし/和え物

知っておくべき流通事情

輸入品の残留農薬

 厚生労働省のまとめによる食品中(農産物)の残留農薬検査結果では、違反率は国産品0.003%、輸入品は0.014%。確かに輸入品の方が高いのだが、検査対象数が国産の4倍という厳しい条件の中でも違反は1万件に1件程度と極めて低い。しかも深刻な違反はなく、冷静にとらえたい。

【品種紹介】

切りみつば

【切りみつば】軟白栽培して、根を切ったみつば。関東で人気が高く雑煮などに使われる

糸みつば

【糸みつば】青みつばとも呼ばれ、茎の部分から葉まで緑色。サラダに向く

根みつば

【根みつば】糸みつばに比べ香りが高い。軟白栽培により茎が白く、根までやわらかい

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

発行・発売   株式会社 農経新聞社
写真撮影株式会社 スタジオアトム
  • 大阪市市況情報地図情報における野菜と果物の写真並びに本ページは、大阪市中央卸売市場が株式会社農経新聞社の著作権の利用許諾を受けて複製し、公衆送信を行っております。
  • 本ページの内容の私的利用を除く、無断での複製(印刷・コピー等)・転載・出版・配布(無償を含む)は、書籍発行・発売元で著作権者の株式会社 農経新聞社の著作権の侵害となります。一部引用する場合は、必ず「出典 改訂9版 野菜と果物の品目ガイド」と明記して下さい。
  • ただし、POPの例は売場や企画書などでご自由に参考にできるものとし、出典の記載も不要です。
  • 出典の書籍に、万一、誤植・誤記などがあった場合には修正箇所を株式会社 農経新聞社ウエブサイト(http://www.nokei.jp)で掲載しております。