れんこん

属性:スイレン科ハス属
れんこん

調理の工夫で食感に変化!好みにあったアドバイスを

はすの地下茎を食用とするもの。縁起物として伝統行事に欠かせない食材。現在の主流は、ずんぐりとして節間が詰まっている中国種。ほっそりとした日本在来の品種もあり、粘質でやわらかく食味の評価が高いが、栽培の手間や低温に弱く収量が少ないなどの理由から、ごく少量出回るのみ。

POPはコレ!

  • 「先を見通す」縁起物。お祝いのお料理に
  • 加熱でホクホク。酢ばすでシャキシャキ
  • パパもボクもやみつき!れんこんチップス

市場シェアと出回り時期

れんこんの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 肉質がち密で硬くしまり、太くまっすぐなもの
  • 穴が均一で、切り口が小さく白いもの
  • 肌の色は自然な白~淡黄色で、色ムラがないもの

最適な保存条件

温度4~10℃、湿度80~90%で約20日が保存限度。カットされたものは、切り口をきっちりラップで包み、野菜室に保存し、早めに使い切るのがよい。土つきのもの、丸ごとのものは表面が乾燥しないようにぬれた新聞紙に包み、ビニール袋に入れて野菜室に保管するとよい。

栄養&機能性

ビタミンC、カリウム、ムチン

ビタミンCは免疫力を高め、コラーゲン生成を促すビタミンとしても注目される。一般的に熱に弱いが、れんこんにはビタミンCを熱から守る成分も含まれている。また、切ったときに糸を引くのは、たんぱく質や脂肪の消化を促進して胃腸の働きを助ける、糖たんぱく質のムチンによるもの。食物繊維も多く、整腸作用や血中コレステロールの低下作用があるとされる。

ONE POINTアドバイス

  • ムチンはれんこんのネバネバに関わる成分で、たんぱく質と糖が結合したもの。胃腸の粘膜を保護して、消化を助ける働きがあるといわれている。
  • 長い加熱でホクホク、すりおろしてから加熱するとモッチリ、酢に漬けるとムチンと酢が反応し、独特のシャキシャキ感が楽しめる。好みにあわせて、調理提案するとよい。
  • 土を洗い落とした後、切り分けるまで置いておく場合は、水につけて浮かないようにしておくとよい。

売場づくりのポイント

  • 傷口から変色するので、皮を傷つけないように注意。
  • 節ごとに切って販売するが、節をカットする場合は切り口をぴったりとフィルム掛けする。
  • 包丁を、濡れふきんでふきながら切るとよい。

Q&A

Q 鉄鍋で煮物をつくったら、赤色に変色した。どうして?
A. れんこんに含まれるタンニンが鉄鍋の鉄と反応して発生したタンニン鉄と思われる。れんこんは切ったまま放置すると赤紫色に変色するが、タンニンが空気中の酸素にふれて酸化するため。

下ごしらえのポイント

  • 切ったあとすぐに酢水につけ2~3分置くと色がきれいに仕上がる。ただし、長くつけるとビタミンCが流出するので短時間にとどめること。また、煮物でホクホク感を出したい場合は、酢につけないで調理する。酢につけた後に煮ると、シャキシャキとなる。
  • ゆでる際に少量の酢を加えると白く仕上がる。

★オススメ料理

煮物/炒め物/揚げ物/ちらし寿司/汁物

知っておくべき流通事情

売り上げ伸ばすカット野菜

 袋から出してすぐに食べることができる手軽さから、カット野菜が売り上げを伸ばしている。推計市場規模は600億円以上。千切りキャベツなどの単品のものから複数の野菜をミックスしたもの、珍しい野菜を試すことができるものなど種類も豊富。数種類をミックスしたものは、そのままサラダとして利用できる利便性が消費者に受けている。また、一部スーパーやコンビニエンスストアなどでは、カットした根菜類を味をつけずに加熱しただけの真空パック商品も販売されている。

【品種紹介】

岩国れんこん

【岩国れんこん】在来種は赤花で穴が1つ多いといわれる。現在は中国種の栽培が多い

茨城れんこん

【茨城れんこん】関東周辺に出回る。歯ごたえが良くシャキシャキとしている

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

発行・発売   株式会社 農経新聞社
写真撮影株式会社 スタジオアトム
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