ぶどう

属性:ブドウ科ブドウ属
ぶどう

大きさ、色、品種が多様。売込みには試食が効果的

世界で親しまれるつる性の果樹で、生食のほかワイン、干しぶどうなど用途が広い。品種はワインに適したヨーロッパ系、耐病性のあるアメリカ系がある。生食用は両者の交雑種が多く、多くの品種が生まれている。その中でも近年、急激に需要が伸びているのが皮ごと食べられる品種で、特に果粒が緑の青系品種が人気。拡販を狙う店舗では青系のほか果粒が紫黒の黒系、赤紫の赤系と揃えて併売している。輸入を含めた出回りは4月末~12月初旬まで。国産は7月~10月下旬、ピークは8月~9月。

市場シェアと出回り時期

ぶどうの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 果梗部、穂軸が緑で粒にしわがないもの
  • 全体に色づき、ブルームが出ているもの

最適な保存条件

最適温度は0℃、湿度は85~90%。カビの発生は低温ほど抑えられる。穂軸の褐変や脱粒の防止にはフイルム包装、低酸素、高炭酸ガスの条件を作り出すこと。

売場づくりのポイント

  • 店舗では5℃前後での管理が望ましい。
  • 店頭に並べる前に脱粒やカビの有無を十分にチェックすること。
  • 品種が多いので、POP などで特性をよく説明する。種の有無、糖度表示、皮が食べられるかなどを明記するとよい。

Q&A

Q 果皮に白い粉がふいていたが、この粉は何? 食べても大丈夫?
A. ブルームといわれるもので、果実に含まれるソルビトールが白い粉となってぶどうの表面に付着している場合が多い。他に、石灰ボルドー液の散布が残存することも考えられる。よく洗えば問題はない。

食べ方のアドバイス

  • 皮ごと冷凍して、シャーベットのように食べられる。
  • ジュースにしても。作り方は、房から取って洗い、絞ってこしたものにレモンとハチミツや砂糖を加える。

【品種紹介】

瀬戸ジャイアンツ

『パリッとはじめる極薄の皮』
【瀬戸ジャイアンツ】大粒で薄皮の種なしぶどう。岡山県産などは、「桃太郎ぶどう」での販売も。9 月末

ルビーロマン

『石川県自慢の大粒高級ぶどう!』
【ルビーロマン】赤系ぶどうでは国内最大級で、粒の大きさは巨峰の約2倍。石川県オリジナル。8 月下旬~ 9 月中旬

クイーンニーナ

『大粒で高糖度の大注目品種!』
【クイーンニーナ】大粒で強い甘み。2009 年に登録された新品種。9 月下旬~ 10 月上旬

ロザリオビアンコ

『透き通る緑色!薄い皮ごと食べて!』
【ロザリオビアンコ】緑白色でやや楕円形の大粒。糖度は20 度を上回る。収穫は山梨県で9 月

ハニービーナス

『濃厚な香りマスカット以上』
【ハニービーナス】甘みが強く、マスカットより濃い香りがする。新品種で皮ごと食べられる。8 月下旬~

ベリー A

『ワインにもなる濃厚な風味』
【ベリー A】大房で濃紫色、酸味もあり濃厚。種なしのものは「ニューベリーA」で流通。8 月~10 月

サンベルデ

『しまった果肉 皮も渋みなし』
【サンベルデ】果粒は平均14g と大粒。歯ごたえよく、薄い皮ごと食べられる。8 月下旬~ 9 月上旬

サニールージュ

『ちびっこに食べやすいひと口サイズ』
【サニールージュ】鮮やかなルビー色。中型で濃厚な味。宮崎が主産地。7 月~ 8 月

黄玉(おうぎょく)

『ジャスミンの香り 贈り物にピッタリ』
【黄玉(おうぎょく)】黄緑色で高糖度の大粒。ジャスミンのような香りがする。8 月中旬~下旬

ブラックビート

『巨峰より早い大粒の極早生』
【ブラックビート】甘みと酸味が適度に残るため濃厚。極早生の黒ぶどう。7 月下旬~出回り、お盆前に販売できる

藤稔(ふじみのり)

『あふれる果汁は大粒ぶどうの醍醐味!』
【藤稔(ふじみのり)】黒系の大粒品種。果肉はやわらかでジューシー。皮離れもよく人気上昇中。8 月中旬~ 9 月中旬

翠峰(すいほう)

『甘みさっぱり美しい翡翠色』
【翠峰(すいほう)】楕円形で大粒の白ぶどう。渋みが少なくすっきりとした甘さ。8 月中旬~

甲州

『江戸から続く往年の銘品』
【甲州】江戸時代から流通していた日持ちのよいぶどう。ワインの原料にも。9 月下旬~ 10月下旬

アウローラ21

『ほお紅がさす希少な大粒品種』
【アウローラ21】緑色に赤みがさし、皮も食べられる。生産量は少ないが、有望種。8 月~ 10 月中旬

オリエンタルスター

『美しい果皮の大粒ぶどう』
【オリエンタルスター】種なしで紫赤色の大粒。噛み切りやすい果肉で多汁。栽培地により濃紫色になる。8 月末~

紫苑(しえん)

『高糖度の冬ぶどう お歳暮ギフトに』
【紫苑(しえん)】晩生で糖度の高い希少品種。大粒で種なし。10 月中旬~12 月中旬

グローコールマン

『気品ある味わい 冬の贈りものに』
【グローコールマン】果粒は淡紫黒色で、甘み、酸味とも控え目。保存性は低い。11 月頃~

レッドグローブ

『皮ごと食べられる輸入ぶどう』
【レッドグローブ】皮ごと食べられる輸入ぶどう。アメリカ産は9月~11月、チリ産は2 月~ 6 月

マニキュアフィンガー ゴールドフィンガー(右)

『パリパリ食感で皮もやわらか』
【マニキュアフィンガー ゴールドフィンガー(右)】細長い指をおもわせる形。果皮が薄く、サクサクとした食感が特徴。渋みがなくコクがある。9 月上中旬

レディーフィンガー

『淑女の白い指 皮ごとどうぞ』
【レディーフィンガー】別名「ピッテロビアンコ」。イタリアの細長い白ぶどう。9月下旬~ 10 月初旬

ゴルビー

『ゴルバチョフ氏にちなんで命名』
【ゴルビー】大粒種なし、鮮やかな赤色で甘みは上品。ソ連のゴルバチョフ元大統領の愛称にちなんだ。8 月中旬~

スチューベン

『とろりとした甘さ 日持ちもします』
【スチューベン】紫黒色のアメリカの品種。9月~翌2 月に出回るが、12月頃の東北産が良品

ルビーオクヤマ

『甘みさわやか赤いマスカット』
【ルビーオクヤマ】マスカットオブイタリアの突然変異。マスカットの香り。9 月上旬~中旬

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

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写真撮影株式会社 スタジオアトム
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