さば【鯖】

  • 分 類: サバ目サバ亜目サバ科サバ属
  • 生息域: 日本列島近海
  • 学 名: Scomber japonicus
  • 英 名: Chub mackerel

さば【鯖】

秋さばは脂肪分が身に入り込んだ最良のもの。
各地でブランド化がすすんでいます。

「さば」といえば一般に「まさば」を指します。古くは大衆魚とされ、安くて美味しい魚の代名詞でした。古代には「なれ寿司」が作られ、江戸時代には塩さばや干しさばが広く流通していました。最近では、資源の低迷と流通の発達から高値となっており、鮮魚では“ブランドさば”が各地で誕生しています。
サバ属には寒流系の「まさば」、暖流系の「ごまさば」、ほかに「たいせいようさば」があります。太平洋沿岸を回遊する「まさば」は、春頃に伊豆半島沖で産卵し、その後、体力を取り戻すために貪欲にエサを食べながら北上します。特に北海道沖での海域はプランクトンが豊富にあり、その頃にはまるまると太りますが、まだ脂肪分は皮と身の間などに貯められ身に均等にまわっていません。この「さば」がまた産卵のために南下を始める時期の9月〜10月頃に脂肪が身に入りこみ、身も締まり風味が格段に上がり、特に八戸沖で水揚げされる戻りの「さば」は最良とされています。それに対し「ごまさば」は年間を通して味があまり変わりません。
現在では、「まさば」は養殖も盛んで、各地でおこなわれています。「たいせいようさば」は、ノルウェーやオランダ、フランス、スペインなどから塩蔵加工され冷凍輸入されています。

焼魚、煮魚、寿司ネタ、しめさば、なれ寿司として多く食べられます。寄生虫がいる可能性もあり、基本的に生食は注意が必要です。缶詰にされる煮さばも多く、かつお節と同様の「さば節」に加工されるものもあります。

「ごまさば」を「丸さば」もしくは「ごま」というのに対して「まさば」は「平さば」、「本さば」と呼ばれています。「さば」は漢字で「鯖」「小歯」「斑葉魚」などと書きます。「鯖」は「青い魚」の意味。「小歯」は「他の魚に比べて歯が小さい」ことを意味します。「さば」=「斑葉(いさば)」の「い」が欠落したもの、つまり身体に斑紋、文様のある魚、という説もあります。

各地でのブランド「さば」紹介

  • 「金華さば」…宮城県金華山沖で秋に獲れ、石巻港に水揚げされたもの。非常に脂がのっています。
  • 「関さば」…豊後水道がもっとも狭くなる速吸瀬戸で一本釣りしたものを、生け簀に一定期間泳がせ、出荷に合わせて締めたもの。
  • 「松輪さば」…東京湾を回遊しているもの。初夏や秋にビシ仕掛けで釣り上げます。
  • 「旬さば(ときさば)」…秋から冬に五島・対馬海域で獲れる脂ののった400g以上のものをいいます。

おさかなセールスポイント

  • 塩焼き、煮物、フライなどお料理万能なお魚です!
  • 生活習慣病の予防に役立つ、栄養たっぷりの青魚!
  • 成長期のお子様に嬉しい成分DHA・EPAがたっぷり!

出回り時期

年間を通じて入荷されています。“ブランドさば”、“養殖さば”など多彩。本来、旬は秋から冬ですが、日本が南北に長いため産卵期も長くなるので、一年を通じて美味しいものがあります。主な産地は、千葉県、三重県、静岡県のほか、鹿児島県、長崎県、新潟県、和歌山県、石川県、富山県、宮城県など。

さばの出回り時期

※この表は大阪市中央卸売市場本場での(平成27年)月別品名別産地別取扱高表をもとに作成しています。各都道府県全体の出荷量ではありません。魚介類の場合、野菜等のように出回り時期が安定していないことが多いのでご注意ください。地域や地方によっては、これと異なる場合があります。また、豊漁、不漁による影響もありますのであらかじめご理解ください。取扱量に応じて色分けしています。一年でもっとも取扱量の多かった月を基準(赤色)として毎月の取扱量を比較し、各月の取扱量をその割合に応じて濃淡で示しています。産地の表記は取扱量の多い上位3県を表記しています。参考:大阪市中央卸売市場(平成27年1月~12月 本場:月別品名別産地別取扱高表)

栄養&機能性

「さば」は青魚(「いわし」・「さんま」・「さば」)の中でたんぱく質の含有率が最も多いです。脂肪量は、「まさば」はそれほど多くありませんが、「たいせいようさば」は脂肪含有率が約27%と、「まぐろ」のトロに匹敵する多さです。「まさば」でも旬の9月~12月に獲れるものは脂肪が豊富で、EPAやDHAを多く含みます。EPAは血液を固まりにくくしたりして血管が詰まるのを防いだり、血管を広げたりしなやかにして高血圧を防いだり、血液中の中性脂肪を減少させる働きがあります。DHAは高脂血症の予防のほか、脳細胞に到達して活動を活発にするといわれます。ミネラル類ではカリウムや鉄が豊富。ビタミン類ではビタミンDナイアシン、ビタミンB12などを豊富に含みます。血合いの部分にはビタミンAやビタミンEをきわめて豊富に含むので、残さず食べたいものです。

さばの食品標準成分表

おいしい魚介の選び方

非常に傷みやすい魚。
目が澄み、身がかたく、光沢のあるものを。

背のさば紋様が鮮やかなもの、見た目がキレイで光沢のあるもの、エラが鮮紅色で、目が澄んで盛り上がっているものが新鮮なものです。「さば」は内臓に含まれる消化酵素が活発に働き、自己消化を急速に起こすため、大変傷みやすい魚です。触ってかたく、それでいて表面にぬめり感のあるものを選びましょう。腹がやわらかくぶよぶよしているものは選ばないようにしましょう。腹に金色の紋が浮き出て、まるまる太っていて大きいほど美味です。
また切身で買う場合は、身質に透明感や弾力があり、血合の部分が鮮やかな赤色をしているものを選んでください。新鮮なものを買って、すぐに調理して食べるのがオススメです。

お料理・活用方法

塩焼き、しめさば、煮つけなどの定番から、
各地の郷土料理まで多彩。

旬は秋から冬。ウロコは小さくてあまり気になりません。表面の皮は非常に薄く、骨はやわらかいです。赤みがかった白身で、血合いがやや大きめ。熱を通してもかたく締まらず、身やアラから濃厚な出汁が出ます。旬の時期のものは脂がのっていて甘みがあります。
もっとも代表的な料理は塩焼きでしょう。干物も美味。塩さばをダイコンとたいた汁物は“船場汁”と呼ばれ、大阪の商業地・船場でつくられたものとされます。“さばの味噌煮”は、酒や砂糖を加えた味噌で煮るもので、大衆食堂の定番的な料理です。また、フライや唐揚げにしても美味。

大阪など関西では“しめさば”を“生ずし(きずし)”といいます。「さば」を三枚におろして、身が隠れるほどたっぷり塩をまぶして臭みを抜き、酢で締めます。“しめさば”でつくるのが“さば寿司”。特に海辺から遠い地方で盛んにつくられてきました。また大阪では昆布を使った“バッテラ”にも「さば」が使われます。奈良県では、寿司飯に塩さばの切身をのせたものを一口サイズに柿の葉で包んだ“柿の葉ずし”があります。京都の“さばの棒寿司”、石川県の“笹ずし”、高知県・宮崎県では「ごまさば」を背開きにしたものを酢で締め、酢飯を詰めた“さばの姿寿司”が有名です。このほかにも、千葉県・三重県の“さば節”、福岡では“さばのお茶漬け”、鳥取県の“吾左衛門寿司”など各地にたくさんの郷土料理があります。

大阪や、島根県などで食べられている“いり焼き”は、「さば」を使ったすき焼き。つけ合わせの野菜にはタマネギを使い、甘辛いしょう油味の地で新鮮な「さば」のそぎ切りを炊いたものです。

島根県出雲地方、岩見地方では、「さば」の身をしょう油、酒などで煮ながら食べる鍋“へか焼き(へかやき)”、“煮食い(にぐい)”が食されています。福岡県北九州市周辺では、切り身を糠味噌、しょう油、砂糖、みりんなどと煮た“ぬか味噌炊き”という料理があります。“さばのへしこ”は北陸、山陰の保存食です。「さば」を糠と塩を混ぜたものに漬け込み、半年から1年漬け込みます。食べるときは糠を落として軽く火を通したり、そのままスライスしてお茶漬けにのせたりします。

練り物として、静岡県の“黒はんぺん”は「さば」を骨ごと煉りこみ半月型に成形したもので、さっと茹でたり焼いたりして食べます。おでんに入れたり、フライにしたりもします。

お店・ご家庭のレシピに加えてください! 美味しい食し方をご紹介

  1. 生食

    刺身、酢締め

  2. 焼物

    塩焼き

  3. 煮物

    味噌煮、へか焼き・煮食い(島根)、ぬか味噌炊き(福岡)

  4. 汁物

    船場汁(大阪)

  5. 油料理

    フライ、唐揚げ

  6. 干物

    開き干し

  7. その他の料理

    しめさば・きずし(大阪)、さば寿司、バッテラ(大阪)、柿の葉ずし(奈良)、さばの棒寿司(京都)、いり焼き(大阪・島根)、へしこ

関連品・加工品紹介


  • 塩さば

    「塩さけ・塩ます」に次いで生産量が多く、関西での消費量が多いといわれています。原料には、鮮度の良い「まさば」が使用されますが、近年、ノルウェー産の「さば」も使用されるようになりました。
    加工方法は、頭を付けたまま背開きにしエラや内臓を取り除き、塩水で一尾一尾丁寧に洗浄します。その後、水気をしっかりと切り、また一尾一尾の腹腔内に塩を振り掛けていきます。最後は、身を元の丸の状態に戻し合塩しながら塩漬けにします。塩漬け後、直ちに冷蔵されますので、鮮度良く召し上がっていただけます。
    「塩蔵魚介類」のページを参照する


  • 開干さば

    「開干さば」とは、水揚げされてからすぐの「さば」を開き、内臓とエラを取り除いて塩水に漬け込んだ後、乾燥させたものです。現在流通している干物の多くは工場でつくられたものがほとんどです。
    水揚げ後、工場に運ばれ、そこで加工され冷風乾燥して干物はつくられます。その後、冷凍されて日本全国の売場へ送られてくるのです。
    「開干さば」のページを参照する

よくある質問

  • Q.「さばを読む」はなぜ、「さば」なのですか?

    A:数をごまかすことを「さばを読む」といいます。これは、江戸時代から使われている言葉です。「さば」が傷みやすく数も多かったため、漁師や魚屋が早口で急いで数えて数をごまかし、売りさばいたことに由来するといわれています。

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出典

大阪市水産物卸協同組合ホームページ「大阪食文化・おさかな味わい図鑑」

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  • ただし、「おさかなセールスポイント」の例は売場や企画書などでご自由に参考にできるものとし、出典の記載も不要です。