かき

属性:カキノキ科カキノキ属
かき

硬度と熟度に好みあり。カロテン、ビタミンにも注目。

柿色といわれる独特な色とやさしい甘みで、古くから日本人に親しまれている。歯ごたえの硬いものとやわらかいものと好みが分かれるが、近年は硬めのものが好まれる傾向にある。10世紀ころから栽培の歴史があり、江戸時代に品種が多く生まれ、現在は1000種類にものぼるともいわれ、地方品種も多い。品種は大きく分けて3つ。受粉に関係なく渋が抜ける完全甘柿(富有など)、受粉で種ができることにより渋が抜ける不完全甘柿(西村早生など)、受粉しなくても結実する単為結果で渋抜きが必要な渋柿(平核無など)がある。

POPはコレ!

  • やわらかくなったら冷凍してシャーベットに
  • ヨーグルトソースでサラダにもピッタリ
  • 秋ならではの味覚!甘さの中に機能性あり!

市場シェアと出回り時期

かきの市場シェアと出回り時期

鮮度の見分け方

  • 果面、果頂部に褐変のないもの
  • ヘタの変色や乾燥がないもの。緑色のものがよい。
  • 見た目の割に重さを感じるもの
  • 色が鮮やかなもの

最適な保存条件

温度は0℃、湿度100%が長期保存に最適。短期の貯蔵では8℃程度でも鮮度保持効果がある。水分の蒸散を極力抑えることが必要で、ポリエチレン包装したうえで低温貯蔵を行うと効果が向上する。貯蔵中の果実の減量歩合が5%を越えると、品質が著しく低下する。家庭での保存はポリ袋に入れて野菜室へ。市場出荷される渋柿の多くは、アルコール脱渋加工、炭酸ガス脱渋されている。その場合の保存期間は15~20℃で7~10日程度。

栄養&機能性

タンニン、カロテン、ビタミンC

渋み成分のタンニンはアルコールを分解する働きがある。また、カロテンやビタミンC、カリウム、抗酸化作用があるβ-クリプトキサンチンなども含まれている。

ONE POINTアドバイス

  • かきはヘタで呼吸しているため、濡らしたティッシュをヘタにかぶせておくと、熟度の進行を抑えることができる。ヘタを傷をつけないように注意すること。
  • ヘタが傷んでいると上手に渋が抜けないので、傷つけたり、取り外さないように注意する。

売場づくりのポイント

  • 収穫後2 週間程度経過した頃が食べ頃といわれる。温度を適正に調整して、適度なやわらかさと甘みの状態で販売すると店の評価を高める。
  • 出始めの値の張る時期はパックに入れて進物用にし、最盛期になったら大玉はバラ売り、中、小玉は皿盛りにするとよい。

Q&A

Q 渋抜きをしたかきを使ってジャムを作ったら、また渋くなってしまった。
A. 加熱による「渋戻り」という現象。渋抜きは渋の成分であるタンニンをアルコールにより変化させ、舌に感じにくくさせるもの。渋そのものが消えるわけではない。ジャムにするために加熱すると、変化させたタンニンが元に戻り、渋みを感じるようになる。加熱するならば、完全甘柿を使用したほうが効率的。

食べ方のアドバイス

  • だいこんなますにしたり、酢の物やサラダにも合う。その場合は硬めのかきを選ぶとよい。

【品種紹介】

早秋

『日持ちよい。極早生甘柿』
【早秋】8 月から収穫される完全甘柿。四角い形で、甘みが強い。早生種としては日持ちがよいので流通しやすい

次郎

『果肉がしっかり。歯で味わう柿』
【次郎】甘柿の代表。種はほとんどなく歯ごたえのよい食感。ハウスが9 月中旬から出回りはじめ、ピークは11 月

西村早生

『甘ささっぱり。硬めが人気』
【西村早生】最も早い不完全甘柿で8 月下旬から出回る。褐斑が非常に多く、硬め

太秋(たいしゅう)

『サクサクで富有のような甘さ』
【太秋(たいしゅう)】富有が母親の完全甘柿。歯ごたえがよい。出回りは富有よりも早い10 月中旬頃~

筆柿

『カリッと歯ごたえばっちり』
【筆柿】果形が筆の穂先に似ているため、この名がついた。不完全甘柿。9 月中旬〜

富士柿(甲州百目)

『ビッグサイズ。食べごたえ抜群』
【富士柿(甲州百目)】大きな釣り鐘形をした不完全渋柿。愛媛県八幡浜市の特産。主に干し柿にする。11 月上旬〜

紀ノ川

『シャキっとしたジャンボ柿』
【紀ノ川】平核無を木に成ったまま渋抜きする方法で栽培したもの。10 月下旬〜

太月(たいげつ)

『甘くやわらか。見栄えも抜群!』
【太月(たいげつ)】中生の不完全甘柿。果実重は450g 程度と大きめになる。果肉はやわらかめで多汁。11 月~

太天(たいてん)

『シャキっとしたジャンボ柿』
【太天(たいてん)】晩生の不完全甘柿。果実重は500g ほどで「富有」の2 倍程度になる。果肉はやや粗いが多汁。11 月〜

貴秋(きしゅう)

『果肉しっかり。紅い甘柿』
【貴秋(きしゅう)】晩生の完全甘柿。果皮が濃い橙色になる。ジューシーで、果肉は硬くシャキ感がある。10 月~

甘秋(かんしゅう)

『甘柿の中でも抜群の甘さ!』
【甘秋(かんしゅう)】晩生の甘柿。果皮が橙色で、甘みが強く日持ちもしやすい。果実重は200g 程度。10 月~

シャロンフルーツ (イスラエル産)

『欧米で人気。皮ごと食べる柿』
【シャロンフルーツ (イスラエル産)】品種ではなくイスラエル産の渋柿の総称。小型で皮がやわらかい。2 月上旬〜

出典

改訂9版 野菜と果物の品目ガイド

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写真撮影株式会社 スタジオアトム
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